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2012年 07月 12日

鞆の浦の架橋計画。住民協議会を経て、開発見直しの決定へ

まちの文化的価値を活かし、公共計画を見直し

鞆の浦(とものうら)の架橋計画。住民協議会を経て、開発見直しの決定へ

広島県の瀬戸内海に面した鞆の浦。

その歴史と自然が調和した湾を横切って橋をかけようという公共事業計画が起こったのが、約30年前の事。

万葉集にも詠まれ、宮崎駿の「崖の上のポニョ」のモデルとなったと言われる独特の町並みで知られています。そのような場所での公共計画は慎重に行うべきです。

ところが、30年前、計画を杓子定規に作り、実行しようとしたのです。

この6月25日、計画の事業主体である広島県の判断で、湾への架橋ではなく、山側のトンネル建設への事業変更が行われました。

2010年5月から計19回、住民協議会が開かれ、計画推進派と反対派の間で、まずは立場の意思疎通を図り、最低限合意できる事を探る動きを進めてきました。また、県からも架橋案以外の対案として、山側トンネルや海底トンネルなど計5案を示してきました。

その中で、双方譲れないところがありながらも、1)中心部の混雑を解消できるような道路整備が必要、2)景観は保全したいので両立できる案を探る、の2点では両者とも合意できる事が分かりました。

今回、この二つの合意点を生かせる案として山側トンネルが決定されたのです。

2009年10月に広島地裁が景観保全を重視し架橋計画を行政裁量の逸脱とする歴史的な判決を出しました。その後、選挙によって新しい知事が選ばれ、県の対案の公開と住民の間の協議による合意形成を優先し、住民協議会が行われてきたのです。

その結果を受けて、事業主体である広島県知事の決定で、計画見直しがなされたのですが、30年にもわたる計画推進の歴史の中で、賛成派と反対派と住民の間の溝は深く、今後も長期にわたる話し合いを継続していく必要があるでしょう。

住民の間に亀裂を生むような計画でなく、最初から住民主体で参加をする形で公共事業を計画していく事が、今後の重要なポイントとなります。

住民協議会においては、あるまちの事を色々な角度から眺めている人たちが、自由に意見をいえる場がまず大事です。

完全に全員が合意する事は難しいかもしれません。合意を目指しつつ、まずお互いの立場を謙虚に理解しあう場が必要です。

そして自由に、本当にまちの事を考えられるように、外部からの圧力は無いようにするのも大事ではないでしょうか。

311を経て、まちの自治が問われています。

下北沢の再開発計画においても、多いに参考になる事例といえます。

「鞆の浦の礒のむろの木見むごとに相見し妹は忘らえめやも」(大伴旅人)



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by ganpoe | 2012-07-12 16:10 | Social or Economic


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