映画「マッチポイント」
2006年 08月 01日
ウッディー・アレンの新作映画を見た(8月中公開)。彼自身は出てこないし、描いているタッチもずいぶんと違うので、彼の映画、という感じがしない。78年ごろの昔の「Interiors」に近いがあれほど深刻な感じではない。
力があるものになびいて世間で認められる成功を勝ち取るか。あるいは自分の情熱に従って、未知の世界で激しく生きることを選ぶか。これが映画の主要テーマだ。
どちらを新進スター、ジョナサン・リース・メイヤーズ演じる主人公が選ぶか、は言わないが、しかしどちらを選択したにせよ、彼は悔やむだろう。
そして、映画での選択をしたことによって、彼は、罪の意識を背負って本当に生きていけるのだろうか。幸運だけに頼った自分の人生にむなしさを感じ始めるのではないか、という疑問が後に残る。
とはいえ、殺害という選択は、彼が始めて自分の力で行ったことだともいえる。初めて選択した自分の人生であったと。ただ、その選択が間違っていはしなかったか、という苦悩の元に(というか疲労しきった感じの表情で)映画は終わる。
脚本がとてもよくできている。最後はサスペンスの色彩も強くなる。使われるオペラのアリアもその録音バージョンも含め(リハーサル用のピアノの演奏が良く出てくる。しかし、ビゼー最高!)効果的だ。
スカーレット・ヨハンソンはしゃべりすぎると良くない。画家フェルメールに関する「真珠の耳飾の少女」でも東京を舞台にした「ロスト・イン・トランスレーション」でもほとんどしゃべらず、あの微妙な表情でうまく深層心理を伝えていた。その感じが「マッチポイント」のおしゃべりヨハンソンではなくなっている。出だしの誘惑する顔、最後のなじる顔、が言葉少なながらも逆に浮き出てくるのは、そのせいではないだろうか。総じて、助演女優のエミリー・モーティマーのほうが魅力的だ。
力があるものになびいて世間で認められる成功を勝ち取るか。あるいは自分の情熱に従って、未知の世界で激しく生きることを選ぶか。これが映画の主要テーマだ。
どちらを新進スター、ジョナサン・リース・メイヤーズ演じる主人公が選ぶか、は言わないが、しかしどちらを選択したにせよ、彼は悔やむだろう。
そして、映画での選択をしたことによって、彼は、罪の意識を背負って本当に生きていけるのだろうか。幸運だけに頼った自分の人生にむなしさを感じ始めるのではないか、という疑問が後に残る。
とはいえ、殺害という選択は、彼が始めて自分の力で行ったことだともいえる。初めて選択した自分の人生であったと。ただ、その選択が間違っていはしなかったか、という苦悩の元に(というか疲労しきった感じの表情で)映画は終わる。
脚本がとてもよくできている。最後はサスペンスの色彩も強くなる。使われるオペラのアリアもその録音バージョンも含め(リハーサル用のピアノの演奏が良く出てくる。しかし、ビゼー最高!)効果的だ。
スカーレット・ヨハンソンはしゃべりすぎると良くない。画家フェルメールに関する「真珠の耳飾の少女」でも東京を舞台にした「ロスト・イン・トランスレーション」でもほとんどしゃべらず、あの微妙な表情でうまく深層心理を伝えていた。その感じが「マッチポイント」のおしゃべりヨハンソンではなくなっている。出だしの誘惑する顔、最後のなじる顔、が言葉少なながらも逆に浮き出てくるのは、そのせいではないだろうか。総じて、助演女優のエミリー・モーティマーのほうが魅力的だ。
by ganpoe
| 2006-08-01 19:00
| Movies