地域, 政治, 経済そして音楽・・・浅輪がんぽおのブログ

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カテゴリ:Movies( 17 )


2009年 03月 08日

取り替え子(チェンジリング)

取り替え子(チェンジリング)

*
クリント・イーストウッドの新作を見た。

「チェンジリング」(取り替え子、とはヨーロッパに昔からある伝承)

圧倒的な作品だと思う。ネットを見ていると、ミスティック・リバーやミリオン・ダラー・ベイビーよりは落ちる・・・という話もあるようだが、僕にはこれが一番。実話に基づいている、と言うのもあるかもしれない。

一人で息子を育てている女性が、その息子を誘拐されて無くす。
数ヶ月後、警察が見つけたと言って戻ってきた子は、その息子の振りをしている別人であった。
女性は、これは違う子「チェンジリング(取り替え子)」です、と警察の担当者にお願いしてもっと捜索を続けてくれるように願う。
警察側は、捜索にミスがあったとは認めたくないので、いろいろと教え諭し、捜査を終わらせたがっている。予算と人員も限られているので、事件を面倒くさくさせたくないのだ。(これは今の日本の警察も同じです)

警察の腐敗を弾劾しているある牧師(この人の登場が少し唐突すぎるのが「映画的」に弱い気がしたが、映画全体からの衝撃と比べたらどうでもいいこと)は、「警察を信用しては行けない。戦わなくては」とこの女性にアプローチする。

(以下、ネタバレがあるので、*****印まで跳ばし読みしてもいいです)

しかし、女性は「あくまで警察と戦うのが目的ではなく、なんとか捜査を継続してくださるようにお願いしたいだけなのです」といって、警察の担当者にお願いする。すると、その警察の担当はその場で女性を拘束し、精神病院に送り、二度と出れないようにしてしまうのだ。
病院の医師は、「警察の責任を問わない。警察の言う通り、戻ってきた子供は自分の息子である」と言う文章に女性がサインしない限り、精神錯乱だ、鬱だ、と言って決して退院させない。しかし、女性はあくまで、自分の息子を返してほしい、とサインを断る。

例の牧師が必死で外で動いていて、また、本当の誘拐の事実が少しずつ明るみに出てきたこともあり、女性は拘束から解放される。
そして今度こそ、牧師と一緒に裁判で戦うことを決心する・・・

その結果は・・・


*****


子供の頃、映画は、「あーー、こんな世界があるんだ」という窓口のような感動を与えてくれた。

いろんな経験を積んでくると、映画を見てつい、自分の経験と重ね合わせて感動し、涙してしまう。

下北沢での経験も思い出した。警察の担当者に結局だまされてしまい、裁判で戦い、自分たちの権利を勝ち取って行こうとするアメリカの人々の力には励まされた。その道がすべて正しいとは思わないけど。

今の経済状況での失職者・職場のことも考えた。
比類の無い現状の中で、どうやって生き抜くのか。
助け合えることは無いのか。

この映画はしかし、そういう政治的/社会的なこと以上に、何か人間の中にある力が、残酷さ、挫折感、の向こうに見えてくる。それが自分にとっては一番心にこたえた。とても絶望的になる映画なのだけど。

昔、読んだ大江健三郎の小説にも「取り替え子(チェンジリング)」というものがある。彼の小説の中でも一番好きなものの一つだ。幼なじみであり、義理の兄でもある伊丹十三に捧げた話だ。いわれの無い理由でさんざん傷つけられていく人々ーーーその中で、生きていく人、死んでしまう人、がいる。

ブルース・スプリングスティーンのうたにこういう歌詞がある。

「不思議な気がする。
こんな大変な日の終わりに、
人々はまだ信じる理由を見つける・・・」
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by ganpoe | 2009-03-08 12:30 | Movies
2006年 10月 20日

お勧めDVD(6)ロスト・イン・トランスレーション

ロスト・イン・トランスレーション

⑤ゴッドファーザーのコッポラ映画監督の娘、ソフィア・コッポラ(ちなみにいとこがニコラス・ケイジ)の監督による東京を舞台にしたアメリカ人同士の恋愛映画。外国人が、いかにも、の東京の姿を捉えた作品として重要だと思います。題名の「ロスト・イン・トランスレーション」は、翻訳によって失われるもの、という意味です。先の「サインフェルド」や「フレイジャー」などのコメディにもそれは大きく現れるのではないでしょうか。新宿のパーク・ハイアット・ホテルからの美しい東京の夜景と、東京の街中のえぐい感じの対比がうまく描かれています。この作品で有名になった、今をときめくスカーレット・ヨハンソンが特に魅力的。男優ならビル・マーレイの年の取りようが魅力的でしょう。 ちなみに作品としては、コッポラの前作品「バージン・スアサイド」の方がいいです。ビル・マーレイの次作「ライフ・アクアティック(http://www.asahi-net.or.jp/~rn6d-hnd/library/lifeaquatic.htm)もはまる人にはとてもはまります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
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by ganpoe | 2006-10-20 11:51 | Movies
2006年 08月 25日

お奨めDVD (5)ゴッドファーザー・シリーズ

マフィア映画の最高峰。フランシス・フォード・コッポラ監督作品としては、「地獄の黙示録」「カンバセーション」「ワン・フローム・ザ・ハート」あるいは「レインメーカー」などのほうがいいかもしれません。

しかし、この作品の重要性は、文化人類学者ポランニーが言った、人類の3種の基本的な交換形式(贈り物交換、暴力による略奪と再分配、市場における売買、で、それ以外に交換の方法はない)がきっちりと描かれていることです。

つまりファミリー(贈り物交換)、マフィア闘争と手下へのもてなし(暴力と再分配)そして、裏ビジネス(市場による売買)です。この三種の交換形式は、現代では、国民、国家、資本主義となっていて、その三つの結びつきは変えがたいと説いたのが日本の評論家、柄谷行人です。

映画の説明に戻ると、アル・パチーノやロバート・デ・ニーロを一躍有名にさせた作品としても重要ですが、やはり風格を出したのはマーロン・ブランドとロバート・デュヴァル。カリスマありすぎです。

監督のコッポラはPartIIのあと15年もしてから、50億円ほど(推定)の借金をして、1990年に仕方なく「ゴットファーザーPartIII」を作りました。これは後のバチカン市国の腐敗をコッポラが察知していたような内容です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%A9
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by ganpoe | 2006-08-25 11:28 | Movies
2006年 08月 23日

お奨めDVD ④セックス・アンド・ザ・シティ

私はあまり好きではないのですが、「女の本音トーク」として話題になりました。日本でもヒットしました。先の「サインフェルド」とともに、ニューヨークらしさを良く描いていると思います。時代的な差が(サインフェルドは80年代終わりに始まったのに対し、セックス・アンド・ザ・シティはアメリカのバブル経済真っ最中の2000年ごろに始まった。)、サインフェルドの職がなく公的扶助や親に頼る、ようするにニートな主人公とフリーター、なかなか仕事がうまくいかない出版編集の女性(このエレーンという役は社会で働く女性の鏡として、いまだに評価が高いです。)というような役柄、それに対して、セックス・アンド・ザ・シティのキャラはプチブルな女たち、というような違いに現れている感じがします。詳しくは下のアマゾンのページをご覧ください。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000065UOY/250-0535078-0660243?v=glance&n=561958
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by ganpoe | 2006-08-23 11:26 | Movies
2006年 08月 01日

映画「マッチポイント」

ウッディー・アレンの新作映画を見た(8月中公開)。彼自身は出てこないし、描いているタッチもずいぶんと違うので、彼の映画、という感じがしない。78年ごろの昔の「Interiors」に近いがあれほど深刻な感じではない。

力があるものになびいて世間で認められる成功を勝ち取るか。あるいは自分の情熱に従って、未知の世界で激しく生きることを選ぶか。これが映画の主要テーマだ。

どちらを新進スター、ジョナサン・リース・メイヤーズ演じる主人公が選ぶか、は言わないが、しかしどちらを選択したにせよ、彼は悔やむだろう。

そして、映画での選択をしたことによって、彼は、罪の意識を背負って本当に生きていけるのだろうか。幸運だけに頼った自分の人生にむなしさを感じ始めるのではないか、という疑問が後に残る。

とはいえ、殺害という選択は、彼が始めて自分の力で行ったことだともいえる。初めて選択した自分の人生であったと。ただ、その選択が間違っていはしなかったか、という苦悩の元に(というか疲労しきった感じの表情で)映画は終わる。

脚本がとてもよくできている。最後はサスペンスの色彩も強くなる。使われるオペラのアリアもその録音バージョンも含め(リハーサル用のピアノの演奏が良く出てくる。しかし、ビゼー最高!)効果的だ。

スカーレット・ヨハンソンはしゃべりすぎると良くない。画家フェルメールに関する「真珠の耳飾の少女」でも東京を舞台にした「ロスト・イン・トランスレーション」でもほとんどしゃべらず、あの微妙な表情でうまく深層心理を伝えていた。その感じが「マッチポイント」のおしゃべりヨハンソンではなくなっている。出だしの誘惑する顔、最後のなじる顔、が言葉少なながらも逆に浮き出てくるのは、そのせいではないだろうか。総じて、助演女優のエミリー・モーティマーのほうが魅力的だ。
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by ganpoe | 2006-08-01 19:00 | Movies
2006年 07月 29日

映画「Dear Pyongyang」

私がNYにいたころからの友人、ヤン・ヨンヒ監督の映画「Dear Pyongyang」の試写会に行った。
http://www.film.cheon.jp/

この在日の家族を描いたドキュメンタリー映画は、なんとあのベルリン映画祭で賞をもらったり、すごいことになっている。う~ん、あのころは気軽な飲み友達だったのが、今では、電話するのも恐れ多い(笑)。というのは冗談で、相変わらずの気さくなヨンヒなんですけど。

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この在日の家族というのは、なんとヨンヒ自身の家族。取材費いらなさそう(笑)。

むかしから色々本人から聞いていたけど、今度新たに知ったことも多くて、とても興味が持てた。しかし、何よりも笑える映画。そして泣ける映画。

私は個人的に、映画は笑えて泣ければいい。そういうヒューマニズム、というか、大衆性、というか、それこそが映画の醍醐味で、小難しいゴダールとかは映画と呼ばない、という考えの持ち主なんですけど、まさにその映画の醍醐味を味わえる。

喜怒哀楽がおおっぴらにでてくるからこそ、いろんなメッセージとかも伝達され、記憶されるんですよね。これは記憶の科学においても、証明されている。


映画自身に戻ると、北朝鮮に対する在日朝鮮人からの「挑戦」(失礼!)じゃないですが、ヨンヒ監督の疑問が描かれる。それに対して、自分は、自由を謳歌する日本にいる、という幸せな自分という感じで描かれる。特にそれは70年代に北朝鮮にわたった、ヨンヒの3人の上の家族への訪問で強く印象に残る。「がんばって」と言い合いながら、お互いで言っている意味が違う、という認識。さらに、自分の世代の幸せさは、戦後まで残り続けた在日朝鮮人への日本人の卑劣な差別に耐え、総連を通した活動を行ってきた父母の時代と比較してもそうだ。

ですが、しかし、その自由なはずの日本も本当に自由なのか?という疑問が、私には残った。私は在日日本人ですから(笑)。

そういう社会問題的なこととともに、この映画を見ながら、どうしても次のような根底的な疑問が浮かばざるを得なかった。

「人は何のために生きてるのか?信じるもののため?」

ヨンヒの母は言った。「信じるってのは長く続けてるってことに意味があるのよ。」

もし、その信じてきたものが信じるほどに値しない、と考え始めたらどうなるのか。

国のために戦ってきた戦士。神のために身をささげてきた宗教者。

その信じるものを否定し始めたら、自分の一生に意味が無かった、ということになってしまう。

例えば、テロリズムは暴力連鎖を生むだけで、ちっとも、信じていたようにはならなかったとする。そのとき、例えば自爆したテロリストの生涯は何だったのか?

同時に、社会は移り変わるものだから、最初に信じたものが正しかったとしても、時代につれ、腐敗していく、ということもありうる。そのとき、お気軽に人は信じるものを変えられるのか?

いや、逆にそこまで信じたものだからこそ、強く批判できる、ということもあるのではないか?

「拒否する力」というのは、一番大変ではあるが、やはり行わなければならない力なのだろうか?勇気はあるのだろうか? 

笑いながら、でもちょっと勇気を見せていこう。
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by ganpoe | 2006-07-29 18:59 | Movies
2006年 07月 19日

お奨めDVD ② となりのサインフェルド

お奨めDVD ② となりのサインフェルド

これはアメリカでの「TV放映開始以来の最高作品」として米メディア関係者より選挙で選ばれ、視聴率も第一位を独走し続けた大ヒットTVコメディシリーズ(シットコム)です。

ところが、それ以外の国(日本も含めて、ヨーロッパでも)では、まったくヒットしていません。なぜなのか?(皮肉の効いたユーモアがアメリカ生活を知っていないと分からない?英語を直接聞かないと分からない?最初のつまらないシーズン1から見るからか?)理由は分かりませんが、私は大好きです。

この作品に垣間見れる「ユダヤ性」、つまり、国民国家を持たない民、すなわち、いつもコミュニティ共同体の外にいながら、勝手に辺りを観察してコメントをする、しかし、「国民」として政治参加をしない(できない)、ということに関して、以前も書いたことがあります。(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=25777286&owner_id=592031)同じように、ジプシー(ロマ)、沖縄、アイヌ、華僑などの民との相違について考察するのも楽しいでしょう。

ちなみに、シーズン2の中国料理屋の話、あるいはシーズン4から6あたりがお勧めです。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0007U9AD6/250-0535078-0660243?v=glance&n=561958
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by ganpoe | 2006-07-19 18:46 | Movies
2006年 07月 12日

お奨めDVD ① スターウォーズ

お奨めDVD、というか映画、TVシリーズをまとめてみようと思います。とりあえず10位まで行ってみたいと思います。

あくまで、「お奨め」の映像で、評価が高い、私の好み、というのとは別です。

常識とは違った感覚の、あるいは世界を見渡せる、今までの人類が作った物語の典型を知れるような、さらに女性の視点、というものを考えるのにいい作品などを中心に選びました。 

①スターウォーズ・シリーズ

既に見ている方も多いと思いますが、この映画シリーズは素晴らしいと思います。

エピソード1,2,3は確かに映画作品としていいとはいえないのですが、民主主義からどうやって独裁政治が出てくるか(ヒットラーのように選挙で選ばれた独裁者)、というのを見事に描いていると思います。

次の(最初に作られた)エピソード4,5,6は、娯楽映画としても優れ、また、神話的要素(父と息子の対決、隠された出生の秘密、師匠からの秘術の伝達、汚辱を通りくぐってからの聖性への目覚め)など多く出てくるのが注目すべき点です。

つまり、エピソード1~3は人類の政治(実生活の欲望)の集大成、エピソード4~6は人類の神話(想像力の欲望)の集大成なのです。

そして、今の私の希望は(たぶん女性監督によって)続編「スターピース(星の平和)」三部作を作ってくれることです。

http://www.eigotown.com/culture/special/starwars/starwars_p1.shtml
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by ganpoe | 2006-07-12 18:45 | Movies
2006年 05月 26日

黒澤塾の崩壊

日本のコンテンツビジネスの興隆、とか、メディアミックス。

たとえば、漫画の原作からアニメにしたり、キャラクターグッズとか、展開していくことです。

それがブームのようになって、小泉様というかたも、これからどんどん伸びると注目していますが、実際のところは、その土台がしっかりしていないのです。

クリエイターはたくさんいるが、それをまともにマネージしていけるプロデューサーが少ないのです。

黒澤明は今では知らない人も多いそうですが、いくつかの傑作映画が海外にも名高いですね。いろいろ文句を言う人もいますが(キャラクター設定が単純すぎるとか)、その映画の魅力、力は今でも最高峰にあると思います。

それが、流行のコンテンツ産業で、名前が台無しになろうとしてしまってるのです。

黒澤塾、というものの失敗です。映画の学校として、黒澤のプロダクション、俳優などが、解し始めて、その矢先に内輪もめで閉鎖が決定してしまったのです。

手塚治虫の美術館や、アニメなどもそうでしたが、他分野に進出したときに、ちょっとおかしなことになることがある。彼らはあくまで、「芸術家」なので、ファッションやデザインのブランドと安易に同じに考えてはいけないのではないでしょうか。安易な多分野展開はコンテンツ本来の魅力などまで食い尽くしてしまうことになりはしないか。

この下の記事にあるように、コンテンツ産業のあり方も少し考え直したほうがいいと思います。

日本社会、というか人間の社会が豊かになって、芸術やら芸能に力が入っていくのは自然の流れです。それが単なる商品化、という考えだけで進められると、コンテンツ自体の力が急速に弱まる恐れはないのか。もちろん、産業としてやっていくのは大切なのですが、「アート」としての力は、もっと別の何らかの志も持ってやっていかないと、出てこないものなのではないでしょうか。

http://www.zakzak.co.jp/gei/2006_05/g2006052501.html
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by ganpoe | 2006-05-26 10:57 | Movies
2005年 08月 15日

なぜ金ある人は裁判に勝つか?

映画『ニューオーリンズ・トライアル 陪審評決』Runaway Jury

昔、こういう話を聞いた。

ある人が、町の有力者が金を不法に着服していることをかぎつけて、裁判に持っていこうとした。専門家に聞いたら、「確かにそれは事実のようだけど、裁判では勝てないよ」といわれた。なぜか、と尋ねたら「相手は町の有力者だから」。

その後、何ヶ月にもわたる裁判ののち、結局、有力者は勝訴した。

ところで、なぜ有力者は、あるいは金持ちは裁判に勝てるのだろうか。そのことが、この映画を見て想像することが出来るようになった。アメリカ合衆国では、陪審員がいて、その人たちをうまく選択することが、裁判に勝つ重要な要素である。年齢、職業、資産、それから民主党か共和党支持か、というようなことから始まって、スキャンダルめいたものまですべて調べまくる。もし、票がぶれそうだったら、スキャンダルをばらすぞ、と脅してまで、自分たち側に有利になるように進める。

たとえば、アメリカでのO・J・シンプソンの裁判でも、黒人を多く陪審員に迎えて、さらに裁判自身を人種差別の問題のようにもっていって、勝利を収めた。あるいは最近のマイケル・ジャクソンの裁判においても、どう見ても有罪のように見えるのだが、結局、無罪放免となった。ところが、終わった後に、陪審員2人が、私たちは他の陪審員たちに脅された、と公言しだしたのだ。ところが、その二人は手記を書く、ということで多大な契約金をもらっていたりしてる。こうすると、どっちがどっちだか、分からなくなってくる。

しかし、この映画を見た本物の「陪審員コンサルト」が、まさにこのように働いているんです、といっていたのは衝撃的だった。

この映画、法廷サスペンスとしても最高に楽しめる。おすすめ。

ダスティン・ホフマン、ジーン・ハックマン、ジョン・キューザック、レイチェル・ワイズほか。
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by ganpoe | 2005-08-15 12:42 | Movies