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2006年 05月 31日

現代のグローバル経済、ミニ解説

国内生産の90%ぐらいは国内向けなので、グローバリゼーションなどは幻想だ、という人がいるようです。また、資本主義は最初からグローバルな世界市場を相手にしてるので、今になって始まったことではない、という人もいます。

 そのような認識は、次のような事実で覆されます。

 ①現在は、単なる貿易ではなくて、生産過程自体がグローバルになっている。
  今までだと、だいたい為替的に安い後進国から原料を持ってきて、先進国で加工してそれを先進国、後進国双方に売りつけて、儲ける、という構図がありましたが、今では生産工程自体がグローバル化しています。

 たとえば、デルコンピューターなどは、設計開発を米国で行って、チップの生産は台湾でやって、ハードディスクはタイで作って、ケースはフィリピン、それの組み立てを中国で行って、フランスに持っていって売る、とか。

 また、日本においても、貿易、つまり「もの」の国際的取引よりも、資本の取引(金の貸し借り)のほうが多くなりました(2005年11月ごろに)。さらに、現在では、外国現地に投資した工場などの現地法人自体が稼いだお金がそのまま内部留保されて、現地で再投資される金額が過去最高を記録したといいます

 このようなグローバル化した生産過程が、後進国の中で、韓国から、中国、インド、東欧まで、どんどん成長していっている大きな理由になっています。今までとグローバル化が変わらないというなら、今まで、欧米と日本だけに限定されていた経済成長が大きく変わったことをどう説明するのでしょうか?

 ②そのことと関わって、資本、信用取引が過大に膨張しているということがいえます。実際のものの取引よりも、たしか4倍か6倍(すいません、記憶が定かではありません。もっとかな?)が、お金と、それへの信用取引のみで成り立っているのです。

 このような投資の投機化(スペキュレーション)は、非常に危ういものですが、それが莫大な利益を一部の投資家にもたらしているのも事実です。これが、世界でますます貧富の差が拡大する(国ごとの違いのみでなく、それは先進国の一国内部でも、後進国一国内でも起きています)事の大きな原因となっています。

 ③では、そのような膨張した資金がどこに向かっているかというと、発展途上国への投資もありますが、圧倒的に米国債にいっているのです。たとえば、中国は米国市場に対して貿易をして、大黒字ですが、それをどうするかというと、米国債を買っているのです。米国債を買うと、ドルの価値が維持され、相対的に中国の為替を安くとどめられるからです。それが、さらに中国からアメリカへの貿易の増大につながります。

 日本も同じです。この二国で米国債の多くの部分が買われ、それがドル中心の世界経済を維持させています。日中両国(そして他の東アジア諸国)ほどではありませんが、米国市場向けの貿易はEC諸国も、頼っているものです。もちろん、ユーロ中心の経済圏を作りつつあり、相対的には、独立しています。

 こうして、世界の成長が維持されているのですが、その結果が米国に与える影響が最大の問題です。

 ④まず、双子の赤字といわれる現象です。第一に、経常赤字であって、それは貿易と資本収支を合わせた国際取引が大赤字、ということです。上にみたとおり、たくさん物が流れ込み、資本もどんどん投資されているのですから、当然アメリカは大赤字です。

 それから、米国債がたくさん購入されていることに見るように、アメリカ政府自体が大赤字です。財政赤字です。この赤字分が、軍事産業、石油産業などに投入されているわけです。

 ⑤それから米国内での過剰消費、といわれる現実です。今年あたり、ついに米国の貯蓄率がマイナスになったといいます。どういう意味かというと、稼いでいる金より、たくさん物・サービスを買ってる、ということです。まったく夢のような話ですねえ。桃源郷のような米国に行きたくなりませんか?しかし、それはどういう意味なのでしょうか?どうしてそんなことが可能なのでしょうか?

 それが米国内での不動産バブルでした。不動産に投資する(買う)事によって、その値段がどんどんつりあがり、それだけ資産が膨らむ。これは貯金と違ってスペキュレーション(投機)ですから土地の値段が下がれば終わりです。しかし、みんなが買い込めば、日本人はご存知の通り、バブルとなって、値段は上がり続けるのです。

 このような信用膨張が、海外からの資本流入と合わさって巨大な消費市場を作り続けていたのです。その結果が、貯蓄率マイナスです。(ちなみに、日本は戦後プラス30%ぐらいを続けていたはずです。これも記憶がやばい。)

 しかし、これまた日本人はご存知の通り、バブルはいつかつぶれて、ひどいことになる。

 米国での土地の値上がりは今年2006年はじめに止まり、下がり始めています。

 その悪影響を懸念して、株価が上げ止まっています。その影響はすぐに世界の市場に影響を与えます。特に米国の市場が時間的に終わる頃に、真っ先に開く日本の株式市場は米国市場の影響を最初に受けます。

 その結果が、本日2006年5月31日に、下に引用した記事にあるように、日本株市場大幅赤字となって現れました。さあ、これからどうなるのでしょうか?米国の「双子の赤字-過剰消費-資産バブル」サイクルは保てることができるのでしょうか?

 それともそれぞれの小さな地域単位で、比較的自立した経済を作っていくことをはじめるのでしょうか? これが現代の政治経済の最大の問題です。そして最重要な選択です。創意力を使って立ち向かいましょう。


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http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060531NTE2INK0431052006.html


日経平均大幅安・一時1万5500円割り込む
 31日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は大幅安。下げ幅は300円前後で推移している。前日の米株式相場が米景気の減速懸念で急落したことが市場心理を冷やし、朝方から幅広い銘柄に売りが先行した。世界的な投資マネーの収縮への警戒感や米景気の先行き不透明感が強まっている。日経平均先物6月物への仕掛け的な大口売りにつれて、9時30分過ぎに取引時間中で2月20日以来3カ月ぶりに1万5500円を割り込む場面もあった。売り一巡後は打診的な買いが相場全体を下支えしているが、1万5500円台半ばで戻りは鈍い。東証株価指数(TOPIX)も軟調で、1600を下回って推移している。

 10時現在の東証1部の売買代金は概算で7120億円、売買高は同5億4539万株。同時点の東証1部の値下がり銘柄数は1516、値上がりは127、変わらずは49と、ほぼ全面安の展開になっている。〔NQN〕 (10:16)
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by ganpoe | 2006-05-31 11:15 | Social or Economic
2006年 05月 26日

黒澤塾の崩壊

日本のコンテンツビジネスの興隆、とか、メディアミックス。

たとえば、漫画の原作からアニメにしたり、キャラクターグッズとか、展開していくことです。

それがブームのようになって、小泉様というかたも、これからどんどん伸びると注目していますが、実際のところは、その土台がしっかりしていないのです。

クリエイターはたくさんいるが、それをまともにマネージしていけるプロデューサーが少ないのです。

黒澤明は今では知らない人も多いそうですが、いくつかの傑作映画が海外にも名高いですね。いろいろ文句を言う人もいますが(キャラクター設定が単純すぎるとか)、その映画の魅力、力は今でも最高峰にあると思います。

それが、流行のコンテンツ産業で、名前が台無しになろうとしてしまってるのです。

黒澤塾、というものの失敗です。映画の学校として、黒澤のプロダクション、俳優などが、解し始めて、その矢先に内輪もめで閉鎖が決定してしまったのです。

手塚治虫の美術館や、アニメなどもそうでしたが、他分野に進出したときに、ちょっとおかしなことになることがある。彼らはあくまで、「芸術家」なので、ファッションやデザインのブランドと安易に同じに考えてはいけないのではないでしょうか。安易な多分野展開はコンテンツ本来の魅力などまで食い尽くしてしまうことになりはしないか。

この下の記事にあるように、コンテンツ産業のあり方も少し考え直したほうがいいと思います。

日本社会、というか人間の社会が豊かになって、芸術やら芸能に力が入っていくのは自然の流れです。それが単なる商品化、という考えだけで進められると、コンテンツ自体の力が急速に弱まる恐れはないのか。もちろん、産業としてやっていくのは大切なのですが、「アート」としての力は、もっと別の何らかの志も持ってやっていかないと、出てこないものなのではないでしょうか。

http://www.zakzak.co.jp/gei/2006_05/g2006052501.html
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by ganpoe | 2006-05-26 10:57 | Movies
2006年 05月 24日

さあ、街をよみがえらせよう!

前にも書いたことがあるのですが、大店法というものによって、郊外に大きなショッピングセンターがどんどんできた。そのことによって、中心商店街がどんどん寂れてしまった。人が来なくなり、世代交代などの折に、店をたたんでしまう。そこに出店する人も現れないと、シャッター通りとなっていってしまう。街がそうやって寂れていく。・・・わびしい・・・

そういう悪法が(そもそもアメリカ様の圧力で「内需拡大」といってやり始めたのですが)、ついに改正されました。はじめからこうなることは予測できていたのですが・・・

郊外の大ショッピングセンターは確かに便利です。特に、車に頼る機会がどうしても多い地域、地方では、さっとすばやく行けて、好きなものがいっぺんに買える。品ぞろいもいい、というのは便利です。(といっても、最近はそのモールに行くための渋滞があって、すばやくはいけなかったりもするとか・・・)

しかし、街の賑わい、人と人の付き合い、地域の文化と自然との関わり、参加、というのはこういうところから生まれるのでしょうか?

法律の改正を機会に、それぞれの街に活気があり、勇気がある人がどんどん素敵な店を作っていって、街の中に、賑わいと豊かさをもたらしてほしいです。(と人に期待しているだけで、自分では何もしなかったりして・・・)

消費者としては便利かもしれない大型店ですが、実は多資源浪費型であったり、そのようなライフスタイルはいずれ破綻する恐れがあると思います。

消費者としてだけでなく、「生活者」として、どのような「生活」が豊かで幸せなのか、活気があるのか、生きているという活力を与えてくれるのか、一度考えてみたいと思います。


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http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060524AT3S2302024052006.html

大型店舗の郊外出店を規制・改正都市計画法が成立

 大型店舗の郊外への出店規制を柱とする「まちづくり三法」の一つ、改正都市計画法が24日午前の参院本会議で全会一致で可決、成立した。閉店が相次いで「シャッター通り」と呼ばれるような地方都市の中心街の衰退に歯止めをかけるのが狙い。ただ大手スーパーの出店計画に影響を及ぼし、競争を阻害する恐れも指摘されている。来年末までに施行する。

 現在、床面積1万平方メートルを超す店舗や映画館などの大規模集客施設が出店できる地域は六つの用途地域に限られる。改正法では規制を強化し、出店可能な地域を「近隣商業」「商業」「準工業」の三用途地域に縮小。郊外大型店の多い「第二種住居」「準住居」「工業」の各用途地域は原則出店できないようにする。

 都市計画規制の空白地でも原則として立地を禁止するほか農地への大型店立地も制限する。 (10:09)
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by ganpoe | 2006-05-24 10:36 | Social or Economic