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2006年 07月 29日

映画「Dear Pyongyang」

私がNYにいたころからの友人、ヤン・ヨンヒ監督の映画「Dear Pyongyang」の試写会に行った。
http://www.film.cheon.jp/

この在日の家族を描いたドキュメンタリー映画は、なんとあのベルリン映画祭で賞をもらったり、すごいことになっている。う~ん、あのころは気軽な飲み友達だったのが、今では、電話するのも恐れ多い(笑)。というのは冗談で、相変わらずの気さくなヨンヒなんですけど。

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この在日の家族というのは、なんとヨンヒ自身の家族。取材費いらなさそう(笑)。

むかしから色々本人から聞いていたけど、今度新たに知ったことも多くて、とても興味が持てた。しかし、何よりも笑える映画。そして泣ける映画。

私は個人的に、映画は笑えて泣ければいい。そういうヒューマニズム、というか、大衆性、というか、それこそが映画の醍醐味で、小難しいゴダールとかは映画と呼ばない、という考えの持ち主なんですけど、まさにその映画の醍醐味を味わえる。

喜怒哀楽がおおっぴらにでてくるからこそ、いろんなメッセージとかも伝達され、記憶されるんですよね。これは記憶の科学においても、証明されている。


映画自身に戻ると、北朝鮮に対する在日朝鮮人からの「挑戦」(失礼!)じゃないですが、ヨンヒ監督の疑問が描かれる。それに対して、自分は、自由を謳歌する日本にいる、という幸せな自分という感じで描かれる。特にそれは70年代に北朝鮮にわたった、ヨンヒの3人の上の家族への訪問で強く印象に残る。「がんばって」と言い合いながら、お互いで言っている意味が違う、という認識。さらに、自分の世代の幸せさは、戦後まで残り続けた在日朝鮮人への日本人の卑劣な差別に耐え、総連を通した活動を行ってきた父母の時代と比較してもそうだ。

ですが、しかし、その自由なはずの日本も本当に自由なのか?という疑問が、私には残った。私は在日日本人ですから(笑)。

そういう社会問題的なこととともに、この映画を見ながら、どうしても次のような根底的な疑問が浮かばざるを得なかった。

「人は何のために生きてるのか?信じるもののため?」

ヨンヒの母は言った。「信じるってのは長く続けてるってことに意味があるのよ。」

もし、その信じてきたものが信じるほどに値しない、と考え始めたらどうなるのか。

国のために戦ってきた戦士。神のために身をささげてきた宗教者。

その信じるものを否定し始めたら、自分の一生に意味が無かった、ということになってしまう。

例えば、テロリズムは暴力連鎖を生むだけで、ちっとも、信じていたようにはならなかったとする。そのとき、例えば自爆したテロリストの生涯は何だったのか?

同時に、社会は移り変わるものだから、最初に信じたものが正しかったとしても、時代につれ、腐敗していく、ということもありうる。そのとき、お気軽に人は信じるものを変えられるのか?

いや、逆にそこまで信じたものだからこそ、強く批判できる、ということもあるのではないか?

「拒否する力」というのは、一番大変ではあるが、やはり行わなければならない力なのだろうか?勇気はあるのだろうか? 

笑いながら、でもちょっと勇気を見せていこう。
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by ganpoe | 2006-07-29 18:59 | Movies
2006年 07月 27日

八ヶ岳

先週末、八ヶ岳に行った。なぜかは知らないけど、八ヶ岳、その向かいの南アルプス、あのあたりの山が、空間が大好きだ。清春も清里も好き。休みになると、あの辺りに向かう。

今回はゆっくりしようとしたけど、結局車を借りて、美術館めぐりをしてしまった(天気悪かったし)。絵本美術館を回ってみたら、実に数限りなくあった。しかし、最後には結局、大江健三郎の文に彼の妻が絵を書いた本に落ち着いた(笑)。

彼は今、池袋ジュンク堂で、大江健三郎書店というのをやっているそうだ。不思議な人間ですが、やはりなんともいえぬ魅力がある。

なぜ学校に行くのか?死んだ子供たちが経験したことを再び学ぶためだそうだ。

理屈も分からず、心に迫った。
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清里はキリスト教の精神のポール・ラッシュが開いて、自然を残す運動をしてるらしいけど、逆に開けてしまった気がする。キリスト教の教会は壁に覆われて外の自然に対立する。

神社や仏教のお寺は自然を残すのに大きな役割を担ってきたのではないでしょうか。

・・・車というほど不便な乗り物はない。のんびり運転していたのに、なぜか、あんな田舎道でぴたりと後ろにつけてくる奴がいた。早く抜いてください、とゆっくり走り続けていたが、しかし、抜く勇気はない。ああいうつまらないドライブ精神を持って、あんな田舎道を行こうという考えが分からない。


久しぶりに本当の日記見たいのを書いた。なんかいつも論文みたいのを書かなければいけないようなプレッシャーを感じてるんだよね(笑)。
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by ganpoe | 2006-07-27 18:58 | Art
2006年 07月 26日

「勝ち組」が死んでゆく

「エコノミスト」の既に先週号になってしまったが、「過労死」について特集している。

http://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/news/20060718-134537.html

いわゆる「勝ち組」であるはずのトヨタやIT企業などで、高給料でありながらもリストラにおびえ、長時間労働を拒否することができない労働者たちの特集をしている。

「一流」企業が効率をよくしたといっても、どこかに負担が転嫁されただけ。

長時間労働の中国などに、日本の労働者が追い込まれている縮図など、かつて、欧米に批判された日本の長時間労働による高度成長の付けが回ってきたようだ。

あわせて、情報化による携帯による24時間の縛り、消費者便利・優先社会による働く側の過酷化、などの指摘も興味がある。

あわせて岩波新書の「働きすぎの時代」も読まれたい。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4004309638/249-4731987-3718721?v=glance&n=465392

本当に勝ち組の人生は、「勝ち」なんだろうか?「勝ち」は勝ちでも「価値」の無い勝ち?

・・・失礼しました。
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by ganpoe | 2006-07-26 18:57 | Social or Economic
2006年 07月 22日

うたの現場

ロックンロールは既存の音楽の権威を崩壊したのかもしれませんが、音楽興行のあり方は、それといって変わってません。

というか、中世のパトロン制度(貴族、教会)が崩壊した後のモーツァルト、ベートーヴェンの時代に成立したコンサート形式が(前売して、さらにそこに参加できる選ばれた人たち、という観客のスノビズムをくすぐる)続いたままだと思います。結局、ライブハウス、とかもそうではないでしょうか。

このパトロン制度と、コンサート形式以外にあった、「歌の現場」方式として、いわゆる祭り制度があった。仕事のうたがあった。あるいは大道芸人のようなものがあった。

盆踊りとか。

路上音楽とか。

流しとか。

祈りの音楽とか。

漁の音楽とか。

子守唄とか。

これらには参加の自由があり、支払いの評価性があった。

これをもう少し、現代的な方法でできないか。さらに、ミュージシャンが生活していけるやり方。その方法を探りたい、とずっと思い続けている。
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by ganpoe | 2006-07-22 18:56 | Music
2006年 07月 21日

日本格差社会


日本は先進国ではアメリカについでの格差社会だそうです。↓

いつのまに・・・すでに・・・

Bob Dylanの新作が出るのはうれしいけど、こういう状況を憂いて、日本からもDylanが出てくる必要があるのでは。

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http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20060720AT3S1902C20072006.html

「日本、貧困層の割合が最も高い国の1つ」OECD報告
 経済協力開発機構(OECD)は20日、日本の経済政策に対する提言をまとめた対日経済審査報告を発表した。「日本は貧困層の割合が最も高い国の一つになった」と経済格差の拡大に懸念を表明、企業が非正社員より正社員を増やしやすくする政策を打ち出すべきだと見解を示した。金融政策では日銀は当面は追加利上げをすべきではないと提言している。

 日本経済の現状について「バブル崩壊後の経済停滞から脱却した。今回の景気拡大は戦後最長になる」との見通しを示した。

 経済格差の問題では、所得の不平等度を示す指標「ジニ係数」がOECD加盟30カ国の平均を上回る水準まで上昇し、相対的貧困率は米国に次ぐ2番目の高さになったと指摘。格差拡大の要因として高齢化やパートなどの非正社員の増加を挙げ、「正社員と非正社員という労働市場の二極化傾向が固定化する恐れがある」と警告した。 (11:25)
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by ganpoe | 2006-07-21 18:54 | Social or Economic
2006年 07月 19日

お奨めDVD ② となりのサインフェルド

お奨めDVD ② となりのサインフェルド

これはアメリカでの「TV放映開始以来の最高作品」として米メディア関係者より選挙で選ばれ、視聴率も第一位を独走し続けた大ヒットTVコメディシリーズ(シットコム)です。

ところが、それ以外の国(日本も含めて、ヨーロッパでも)では、まったくヒットしていません。なぜなのか?(皮肉の効いたユーモアがアメリカ生活を知っていないと分からない?英語を直接聞かないと分からない?最初のつまらないシーズン1から見るからか?)理由は分かりませんが、私は大好きです。

この作品に垣間見れる「ユダヤ性」、つまり、国民国家を持たない民、すなわち、いつもコミュニティ共同体の外にいながら、勝手に辺りを観察してコメントをする、しかし、「国民」として政治参加をしない(できない)、ということに関して、以前も書いたことがあります。(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=25777286&owner_id=592031)同じように、ジプシー(ロマ)、沖縄、アイヌ、華僑などの民との相違について考察するのも楽しいでしょう。

ちなみに、シーズン2の中国料理屋の話、あるいはシーズン4から6あたりがお勧めです。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0007U9AD6/250-0535078-0660243?v=glance&n=561958
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by ganpoe | 2006-07-19 18:46 | Movies
2006年 07月 12日

お奨めDVD ① スターウォーズ

お奨めDVD、というか映画、TVシリーズをまとめてみようと思います。とりあえず10位まで行ってみたいと思います。

あくまで、「お奨め」の映像で、評価が高い、私の好み、というのとは別です。

常識とは違った感覚の、あるいは世界を見渡せる、今までの人類が作った物語の典型を知れるような、さらに女性の視点、というものを考えるのにいい作品などを中心に選びました。 

①スターウォーズ・シリーズ

既に見ている方も多いと思いますが、この映画シリーズは素晴らしいと思います。

エピソード1,2,3は確かに映画作品としていいとはいえないのですが、民主主義からどうやって独裁政治が出てくるか(ヒットラーのように選挙で選ばれた独裁者)、というのを見事に描いていると思います。

次の(最初に作られた)エピソード4,5,6は、娯楽映画としても優れ、また、神話的要素(父と息子の対決、隠された出生の秘密、師匠からの秘術の伝達、汚辱を通りくぐってからの聖性への目覚め)など多く出てくるのが注目すべき点です。

つまり、エピソード1~3は人類の政治(実生活の欲望)の集大成、エピソード4~6は人類の神話(想像力の欲望)の集大成なのです。

そして、今の私の希望は(たぶん女性監督によって)続編「スターピース(星の平和)」三部作を作ってくれることです。

http://www.eigotown.com/culture/special/starwars/starwars_p1.shtml
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by ganpoe | 2006-07-12 18:45 | Movies