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2012年 03月 06日

生の地域 をめざして

命がけの跳躍。

売れるかどうか分からないのに、借金をして資材や機械や労働力を買って、その買ったものを加工したり、
移動させたりして商品にして売ろうとする資本の動き。
最初に作るためには、費用がかかり、まず借金をしなければならない。
借金をするから、それを返すために死ぬ気で売らなくてはならない。

だから、何でも必死に売ろうとする。無駄なものでも、公害を起こすものでも。。。
人々の倫理が悪いからではない。
商売は最初に金を使って借金をしなければ絶対にできないから、仕方がないのだ。
それが世界のからくりであり、だから経済的に生き抜くことは、ほとんど誰にとっても、命がけの跳躍なのだ。

さあ、もういちど、「人々は人々が必要なものを必要なだけつくっていた」
というかたちに、どうやって行けるのだろう?
もし確実に必要なものだけ作り売れると分かれば、命がけの跳躍の度合いが低くなり、無理に売りつけたり、無理に買い叩いたりの必要もなくなる。
これが答えだ。

どうやったら、確実に売れることが事前に分かるか?
受注生産というのが、すぐ頭に浮かぶだろう。
そしてさらに、地域のつながりの中で、お互いの必要なもの、必要になると思うものを伝え合えるようになれたら、それが、世界のカラクリの修繕になるのではないか?
それが答えではないか?

昔の共同体に戻るというのも素敵だが、多くは広がらない。部分的な趣味的なコロニーができるだけだ。
いまの社会の段階から先に進んで、そこに懐かしい昔のような未来をみつけるのだ。

「人々が必要なもの」、それは「よりよくいきる」ということだ。
「よりよくいきる」とするとき、そこにはいろんな時間と場所が絡まってくる。

そういう時間と場所があらわれてくるのを生活圏と呼べる。
生活圏はいつも固定されているものでもなく、一つのものでもなく、
いろんなレベルで重層的にあるものだ。
数人の寄り合い、組合レベルもあれば、
都市と農村と周りの自然、というような広い「地域」ひとまとまりもある。
そんな「地域」たちの中で人々は生き、学び、遊び、育ち、働き、育て、老いて、死んで行く、
そして自然と人間の結びつきも生まれる。

そんな「よりよくいきる」生の地域をどうやって保っていくか、
どうやって自分たちの必要に会わせて形成していけるか、
それが、「人々が必要なものを必要なだけつくる」ということだろう。

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しかし、そんな地域も、みてきたように、外の大きな商人や銀行家や政府にコントロールされて、
他に依存的になってしまいがちだ。
遠くの都市のための単作食物を育てるだけになったり、
公害を出すような工場や発電所を押し付けられたりするだろう。
無駄な消費にあくせくさせられながら、
必死に働いて高い家賃を払ってストレスの多い生活を強いられたりするだろう。

そんな外来型の開発に左右される地域でなく、
「よりよくいきる」ために自分たちで内発的にコントロールできる地域はどうしたら可能だろう。

まずは「あたま」。

何よりも意思を決定できる、会社でいえば本社があること。

つぎに「かね」。

本社が地域内にあれば、経済の余剰はその地域の中に残るし、落とされるし、
新たな発展のための再投資に回すことが出来る。
地域の税金は地域の自治体に払われ、地域の様々な社会サービスに回すことも出来る。

なにより「つながり」。

いろんな関連の産業が発達して、
部品や修理やら何やらを地元の企業にお願いするようになって、広がりを生む。
モノやサービスの交換だけでなくて、新しい情報や技術なども交換され、
地域の発展が継続するきっかけにもなる。
そんな広がりの中で、新しい仕事を生み出そうという意欲を持つ人も育つし、
今までと違った、なかった産業や、地域の細かいニーズに対応する産業も、
地域の色んなつながりがあるとスムーズに興すことが出来る。

ついでに「あそび」。

地域のつながりが強いし、お金も地域に落ちるので、あそびも地元でたくさん行う。
近くの農村や漁村のおいしい多様な食物を手に入れて、
その地域の風味で工夫した色んな料理や飲み物が出来たり、
美しい農村・自然の風景を残して楽しもうとする。
地域の文化や盛り場を楽しんで、それが新しいお店や職人や芸術家なんかを育て、
それがまた刺激になって、産業などのアイデアに結びついたりする。
ハイキングやスポーツを楽しむ時間や場所を大事にすることによって、
人々の絆も深まり、健康や元気や活力につながる。
教育も地域に根ざして、地域の仕組みやニーズなどを早くからつかんで、
現場と知識をうまく結びつけた地元愛にあふれたこどもたちが育つだろう。

そうわたしたちは、いつでも「よりよくいきる」生の地域のために、
「あたま」「かね」「つながり」「あそび」が内発的で、地域の中で多様で循環しているか、
確かめていくといい。一つ一つ確かめながら、挑戦していくといい。

内発的に、地域のなかの交換、他の地域との交換をトランジション(移行)させていくと、
だんだん、内発的な「生の必要」に根ざした交換に、生産に、社会に変わっていく。
だって、「あたま」と「かね」と「つながり」と「あそび」は地域の人々がコントロールして、
育てていっているのだから。

そんな挑戦のなかで、少しずつ、「人々の必要なものを必要なだけつくる」未来の世界が見えてくる。
もう、無駄なものをつくったり、公害を出すことは少なくなっていく。
命がけの跳躍が薄れていく。
そして命あふれる地域が、本当の「生」が生まれるのだ。
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by ganpoe | 2012-03-06 23:28 | Social or Economic