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資本の命がけの跳躍

マルクス『資本論』というと難解そうだが実は一つの事だけを元に書かれている。

資本の命がけの跳躍だ。

売れるかどうか分からないのに最初に金を投資せねばならない、命がけの跳躍。

この命がけの跳躍、ということから二つの結果が生み出される。

1)命がけの跳躍をしなければならないので、利潤を得た場合はとことん、増やそうと思うこと。
資本の飽くなき欲望だ。
だから、資本家は経営者はどんどん成長しようと考える。
たとえ、それが多少の社会的害を及ぼそうとも。公害を生み出したり、環境に負荷をあたえたり、長い歴史や文化的価値のある物を壊してしまう可能性があるとしても。あるいは、労働者への分配をなるべく抑えようという欲望も生まれる。

2)命がけの跳躍をなるべく避けようとする。 つまり、確実に「売れる」ようにしたいと考える。
一番考えやすいのは、税金だ。
税金を扱う行政府に何らかの形で取り入れば、確実に納品でき、安心できる。
道路事業から原発産業、軍事産業まで、これらを「安定的収入」のもととして、資本家は経営者は確実にキープしようとする。
癒着が始まる。
全く社会的に必要がなくなってきていようとも、とてつもないコストと災害カタストロフィが予想されようとも、あるいは、それぞれの行政府の国家の威信を保つためだけの軍事力となってしまおうとも、「命がけ」も「跳躍」も避けたい人々は群がる。
あるいは、別の場所で「命がけの跳躍」を試みるためにも、確実な売れるところを保証として残そうと考える。

この「命がけの跳躍」を行わなければならない「資本の動き」の制度、これを原始的蓄積から、製造業から、再生産式から、個別利潤が社会的剰余へ転形する仕組みから、金融制度から、さまざまな方面に探りを入れていく、これが『資本論』という本だ。

(しかし、なぜかマルクスは国家を描かなかった。上でいう 2)の問題が書けていない)

なぜ「命がけの跳躍」をせねばならないのか、それが価値形態論になる。

つまり、人と人は市場で交換したいとき、「金銭」を媒介せずには不可能だ。しかし、金銭は全ての商品の価値を表すことができる「商品の王様」として現れる。だから、他のあらゆる商品より「金銭」は市場価値を持ち、「金銭→商品」の交換は容易なのに、「商品→金銭」の交換は困難きわまりない。

だから、「商品→金銭」の交換をなそうとする商人は「命がけの跳躍」に対するしかない。


では、このような「資本制度」からくる、いろんな矛盾を解決するにはどうしたらいいか。
上の 1)、2)の条件をじっと見つめるしかない。
ヒントは「命がけの跳躍」だ。


「ではどうする」?
要するに、「セカイノカラクリ」の真髄にあるGーWーG’、つまり、「貨幣-商品」そのあと命がけの跳躍の「商品-貨幣'」という資本の動き。これをひっくり返せばいいんじゃないか。

つまり、

「資本の苦しみ、それは時間が前にしか進まないことからくる。
最初に買う、後で売る。その2回の交換をしないと投資が回収できない。
それなのに!
後で売れるなどなぜ分かる!?
なのに、金を捨てるのか?

時間の中に生きる人間の問題なのだ、資本ってやつは。」

の反対をすればいい。てことなんですよね。つまり、

●先に何があるかわかるようにすればいい。

ではどうすればいいか?

→1。計画経済をすればいい。どうやるか?国家権力を把握してエリートが計画すればいい
 でも、→ソ連型 ゲームセット。

→2。リクエストメイド。注文生産。
 でも、→今世の中にない姿、サービス、製品への投資は進むの?

→3。セカイノシュウリ。工業化の成果を受け継いで、これをそのまま維持しながら、修理しながら、定常的になんとか続けていこう。
 でも、→先進国だけでいいの?後進国も工業化を始めたら、エネルギー/温暖化でアウト!

→4。「生」の場としての地域で、みんなの理想の世界を目指そう!生活圏の中で将来の姿をみんなで話し合って「賢く」生きよう
 でも、→人間が話し合うとか、賢くとか、現実わかってないから。あるいは妬みや足の引っ張り合いや村八分の地域共同体で上手くいくんかいな?

というような幾つかの方向性が考えられると思います。
でも、それぞれ、それなりの課題があるので、、、この辺り全てをひっくるめて、それぞれを工夫しながら行う、ってことしかないんかいな。

という気持ちです。

この辺り全てをひっくるめて、、、で出来たのが、国連のSDGs (?)。
(17のグローバル目標と169のターゲットって多すぎるから。)

by ganpoe | 2010-10-09 18:05 | Social or Economic

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