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未来のエネルギーを独占しようとする人たち

むかし、むかし、トランスコミックというサイトでこんな文を載せてました。
詳細にはいろいろ付け足したいところがありますし、バイオマス発電や燃料電池への評価は現在は否定的ですが、少なくとも経済的背景みたいなところは、言い尽くしてるな〜と思い、僭越ながら、そのまま、また掲載してみますね。

なお、本文を書くのには、中村剛治郎先生、安藤亜紀さんらとのお話がとても役に立ちました。
ありがとうございます。

http://tcxpress.com/aswt_53.html
一家に一台、太陽光発電パネル。一グループに一台、風力発電、バイオマス(樹木、などの生物燃料)。でも原子力発電・・・? 私たちには扱えない、でっかい会社や役人が扱えるだけで、その人たちが儲かるだけ・・・。

 未来のエネルギーを独占しようとする人たち

「原子力エネルギーはクリーンであり将来の電力需要のためにも必要です。」こういうことをいう人がいます。

今の技術力では再利用や、廃棄物処理はまだだが、将来的には可能になるから、というのは、実のところ、逆ではないでしょうか。現在の技術ではほとんど無理っぽいが、経済的に有利になるから、将来的には技術が高まるように思わせておこう、と言っているのではないでしょうか。

たとえば、そういうことを原発推進派は誰でも言いますが、では、なぜ同じことを風力や太陽光発電に対して言わないのでしょうか?
後者に限っては、「現在の」能力では電力需要をまかなえない、と言います。しかし、原発については、「将来の」能力では、と言うのです。

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ところが、実際のところ両者の開発のために今まで費やした費用はどれだけの差があるのでしょうか。開発費用が全く反対だったら、今頃風力や太陽光のほうが効率が上がっていたとしても私は別に不思議に思いません。

しかもこれだけ金をかけておいていて、実際は税金に頼っていかないとやっていけないのです。あまりにも余計な費用が必要なのです。廃棄物処理も永遠のように続く。経済的にもちょっと成り立たないのではないでしょうか。

それだから、経団連の奥田会長までもが、もう考え直したほうがいいのではないか、とまで発言しています。

つまり、単に原発をどうしても推進したいだけで、正確に比較していないのです。これでは科学的な態度とはいえません。

では、なぜ、そこまでして原発を進めたいのでしょうか。

それは原発と太陽光や風力発電、あるいはバイオマス(樹木、などの生物燃料)との違いを考えてみると分かります。つまり、原発は大規模で専門的に管理しないと使えない。それに対し、太陽光パネルや、風力発電、バイオマスは、割と簡単で、分散的にあちこちに置くことができます。というか、置く必要があります。だから、それらは、市民やNPO・自治体などが共同購入して、そこでできた電力を電力会社に売電しているわけです。

つまり、風力や太陽光・熱、バイオマスでは、電力会社はマイナスになる。ところが、原子力は、電力会社と国家の独占においてしか扱えない。つまり、独占利益を得られるのです。

石炭、石油に続いて巨大な独占利益を維持するために、税金を湯水のように使って、危険をかえりみず、将来的な放射線汚染物の処理の問題もあやふやなままで、内部告発がなければ安全管理さえもごまかしたり隠したりしてます、その上、過疎地域を狙って、金をつんだりして、建設をしようとしてるのではないでしょうか。

これが将来のためになる技術なのでしょうか。いや、問題は技術ではありません。経済的な構造が変わること、これが必要なのです。与えられるものをただ鵜呑みにしてるのではなく、それぞれが倫理的な経済のために、たとえば、市民発電をバイオマス、太陽光や、水力、風力、そして燃料電池などをまで含めて、熱は太陽熱や地下熱などを利用して、協同して行っていくことが必要です。それは夢物語とかエコかぶれとか言う話ではないのです。最も現実性がある、リアリズムの話です。

(注:バイオマスとはエネルギー源として利用される生物資源のこと。さまざまな種類のものがあり、樹木、草などが使える。また、家畜の糞尿なども利用できる。薪や炭、メタノール(メチルアルコール)、エタノール(エチルアルコール)、ペレット(圧縮片)、メタン発酵、などに加工して燃料として使う。
 これらは放置しておけば、腐ってしまい、二酸化炭素に分解されるためそれを燃やして利用しても同じことになる。よって、大気中のCO2増加には影響しない。

燃料電池は、主に水素と酸素を化学反応させて電気を起こすもの。それぞれプラス・マイナス電極上でイオン化され、間を電流が流れる。合成されて水となって排出される。酸素は空気中から得られ、水素は現在の主流では、天然ガスやメタノールを加工したものを用いる。将来的には、海水などから電気分解して取り出せるようになる、また、バイオマス・食料廃棄物などからバイオガスを発生させて得ることも出来るだろう、として期待されている。これも小型のもので、各家庭においたり、あるいは車などに積めば停車中も発電して、電線に売電できるようになるともいわれている。)

 

自然エネルギー事業協同組合レクスタ
http://www.rexta.or.jp/

自然エネルギー推進市民フォーラム
http://www.jca.apc.org/repp/home.htm
by ganpoe | 2005-03-11 13:12 | Social or Economic

http://www.myspace.com/ganpoe


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