人気ブログランキング | 話題のタグを見る

なぜ金ある人は裁判に勝つか?

映画『ニューオーリンズ・トライアル 陪審評決』Runaway Jury

昔、こういう話を聞いた。

ある人が、町の有力者が金を不法に着服していることをかぎつけて、裁判に持っていこうとした。専門家に聞いたら、「確かにそれは事実のようだけど、裁判では勝てないよ」といわれた。なぜか、と尋ねたら「相手は町の有力者だから」。

その後、何ヶ月にもわたる裁判ののち、結局、有力者は勝訴した。

ところで、なぜ有力者は、あるいは金持ちは裁判に勝てるのだろうか。そのことが、この映画を見て想像することが出来るようになった。アメリカ合衆国では、陪審員がいて、その人たちをうまく選択することが、裁判に勝つ重要な要素である。年齢、職業、資産、それから民主党か共和党支持か、というようなことから始まって、スキャンダルめいたものまですべて調べまくる。もし、票がぶれそうだったら、スキャンダルをばらすぞ、と脅してまで、自分たち側に有利になるように進める。

たとえば、アメリカでのO・J・シンプソンの裁判でも、黒人を多く陪審員に迎えて、さらに裁判自身を人種差別の問題のようにもっていって、勝利を収めた。あるいは最近のマイケル・ジャクソンの裁判においても、どう見ても有罪のように見えるのだが、結局、無罪放免となった。ところが、終わった後に、陪審員2人が、私たちは他の陪審員たちに脅された、と公言しだしたのだ。ところが、その二人は手記を書く、ということで多大な契約金をもらっていたりしてる。こうすると、どっちがどっちだか、分からなくなってくる。

しかし、この映画を見た本物の「陪審員コンサルト」が、まさにこのように働いているんです、といっていたのは衝撃的だった。

この映画、法廷サスペンスとしても最高に楽しめる。おすすめ。

ダスティン・ホフマン、ジーン・ハックマン、ジョン・キューザック、レイチェル・ワイズほか。
by ganpoe | 2005-08-15 12:42 | Movies

http://www.myspace.com/ganpoe


by ganpoe